「母と暮せば」舞台版
衛星劇場で本作を鑑賞しました。
映画版と違う結末、被爆者を実験材料とする米国の非情さが真に迫ります。
2人芝居で町子も出ません。
脚本も演者もよかった。映画も観ましたが。
「父と暮せば」も私は映画版より舞台版が好きです。
独りぼっちになった母に亡き息子が
「誰が独りぼっちか。
ずっと母さんのそばで見守っている、父さんも兄さんもおばあちゃんも…」
子供を失った哀しみに加えて、自分自身も被爆の症状が出てきて…
井上ひさしの思いを継ぎ、山田洋次監督が製作した映画『母と暮せば』が2018年秋、舞台化する。井上ひさし作品を中心とした演劇活動を続ける劇団こまつ座の「戦後“命”の三部作」の第三弾という位置づけ。こまつ座で『木の上の軍隊』(蓬莱竜太作)の演出も担った栗山民也が演出を手掛け、劇団「渡辺源四郎商店」主宰で青森を拠点に活動する劇作家・畑澤聖悟が脚本を担当する。
まず、『母と暮せば』が誕生する経緯を振り返りたい。
井上ひさしが上演し続けて欲しいと願った作品の一つが、1948年のヒロシマでの父娘の物語『父と暮せば』だった。生き残ったことに罪悪感を抱きながらひっそりと暮らす娘の元に、原爆で死んだはずの父が現れて娘の恋を応援するという二人芝居だ。 井上は新作として沖縄、長崎を舞台にした作品も書く予定だったが、構想途中のまま2010年4月にこの世を去った。その遺志を継いで、新たな作品づくりが進められた。
13年には、オキナワの「今」を見つめた『木の上の軍隊』(蓬莱竜太作)を発表。16年にはこまつ座公演として再演を果たす。
15年には、井上ひさしが長年願った『父と暮せば』の対になる作品を残すという構想を受け継ぎ、山田洋次監督が映画『母と暮せば』を製作した。長崎で被爆した母と亡き息子の幽霊の交流を綴った作品だ。その映画の流れをくみながら、舞台『父と暮せば』、『木の上の軍隊』に次ぐ、こまつ座「戦後“命”の三部作」第三弾として、今回の舞台が作られている。
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